岩手県下閉伊郡山田町(しもへいぐんやまだまち)の山田湾は重茂(おもえ)半島の南にある、周囲が約30㎞のほぼ円形の湾です。湾の北部には明神崎が突き出しているため湾の入り口は狭くなっており、普段は外海の影響を受けることの少ない波の穏やかな海となっています。

山田湾ではカキやホタテの養殖が盛んに行なわれていますが、これは北上山地からの豊富な栄養を含んだ川の水が湾に注ぐことで多くのプランクトンが発生して栄養元になるため美味しいカキやホタテが育つことによります。湾内には養殖いかだの黄色いブイが整然と浮かんでいて見事な景観を見せています。

コバルトブル-の湾内には大島や小島などの島が愛らしい姿で浮かぶ様子も見られます。大島は湾内にある無人島で、通称「オランダ島」と呼ばれています。これは江戸時代の1634年、オランダ船の「ブレスケンス号」が山田町に漂着したことから名づけられたということです。

また、山田町では商業捕鯨禁止となる昭和62年まで捕鯨が行われていました。捕鯨の歴史や、全長17.6mと世界最大級のマッコウクジラの実物骨格標本が「鯨と海の科学館」(山田町船越)にあります。